2008年11月にCDCから発表された、「医療施設における消毒と滅菌のガイドライン・2008」の概要になります。
モップや再利用可能な清拭布は、定期的に環境表面の低水準消毒に使われる。しかし、それらはしばしば適切に洗浄・消毒されない、もし水-消毒剤混合物が定期的に(例えば、3~4室毎に、60分を越えないで)交換されなければ、モップ作業は実際、医療施設中で濃厚な微生物汚染を広げることとなる。
病院の床は、沈下した空気感染性細菌からの微生物で汚染される。
病院の床のクリーニングの調査で、洗剤と水の使用は・・・(中略)・・・、細菌数の減少に効果的ではなかった。しかも床消毒の数時間後には、細菌数はほぼ処置前のレベルに戻っていた。
・・・(中略)・・・
もし洗剤と水が消毒剤より使われると、モップの水はクリーニング中に汚れがひどくなり、汚染することを示した。
多くの研究が、・・・(中略)・・・クロス(布)が他の表面を拭き取るのに使用される状況では、汚染はその表面やクロスを持つ職員の手に移されることを示した。
床の表面消毒をすることで医療関連感染症率が減るというデータは存在しないが、消毒剤を使うことで微生物負荷が減るというデータがあ<る。
医療施設の床面は、オフィスビルとは異なり、長尺シートやPタイル等弾性床材が多くを占めます。
そのため日常の清掃方法としては、感染対策上ホコリを舞い上げないダストコントロールの必要性から、必然的に湿式清掃が主体となるため、清掃に使用する道具としてモップが選択されることが多くなります。
除染とは、対象物の表面に付着した『汚れ』『目に見える汚れ』『目に見えない汚れ』を化学的・物理的に除去する事。 医療施設内で発生する汚れには、血液・粘液・ 分泌液・ 組織片・ 排泄物・ 無機物等が含まれる可能性が高く、これらの汚れの中には多数の病原微生物が潜んでいる。 消毒・滅菌を行う前に『汚れ』は、完全に除去しなければならない。
医療関連感染(病院感染、院内感染=healthcare-associated infections, nosocomial infections)とは、「医療施設(病院・診療所など)で、 入院後あるいは特定の病棟に転科後48時間以降に起こった感染症のこと」と定義されています。 昨今では、ノロウイルスやO-157、SARSなどが一般的にも知られています。